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日本では成人の80%以上が歯周病にかかっています。(※厚生労働省:平成23年歯科疾患実態調査)
歯周病は「糖尿病の3大合併症」といわれる腎症・網膜症・神経症等に次いで、第6番目の糖尿病合併症と認識されており、密接な関係にあります。実際、歯周病治療を行うことで糖尿病が改善することが明らかになっています。
動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などは、高血圧、高コレステロール、喫煙などが危険因子とされてきましたが、「お口の中の細菌」もその原因の一つとして注目されてきています。
お口の中には、細菌がたくさん存在していて、特に歯周ポケット内で増えた歯周病菌が、歯周ポケット周囲の炎症性の組織から血液の中に入り、全身に広がることがあります。通常、入り込んだ細菌は体の持つ免疫作用で排除されますが、心臓の弁に障害があったりすると、血液の流れがスムーズにならないため、心臓の内膜に住みついてしまい、心内膜炎を引き起こすことがあります。
またこれらの細菌が血管の壁に付着すると、それがもとで動脈硬化の原因になったり、血栓ができ、特に心臓の周囲の冠動脈を詰まらせると、心筋梗塞や狭心症の原因になることも考えられます。
妊婦の場合、歯周病はお口の中の問題に限らず、早産・低体重児出産に影響があるといわれています。歯周病の局所では、炎症性物質の上昇が認められますが、これらは分娩に関わる物質と共通のものが多いです。
そのため、歯周病の妊婦は分娩の後期に至る前に、これらの物質が早期に上昇し、その影響で分娩時期の前に子宮筋の収縮を促がしてしまうのですが、その結果として、早産になるのではないかと考えられています。
実際に妊婦に対して歯周治療を行うことで、早産発生率の減少がみられます。
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