歯の構造
- ●歯冠(しかん)と歯根(しこん)
- 歯の表面に出ている部分を「歯冠(しかん)」と言い、歯茎に隠れている部分を「歯根(しこん)」と言います。そして歯は、皆さんご存知のエナメル質だけでなく、いくつもの組織から成り立っています。
- ●エナメル質
- まず「エナメル質」は、人間の体の中で最も硬い組織で、水晶と同じくらいの硬さがあります。厚みは2~3ミリほどあり、歯に対する様々な外部刺激から歯髄(歯の神経が通っている部分)を守るということが、最大の役割です。
- ●象牙質(ぞうげしつ)
- 次に「象牙質」。象牙質はエナメル質の下の層にある組織で、歯の大部分を構成しています。エナメル質よりも柔らかい組織であるため、むし歯は象牙質に達した後は、侵食スピードが増してしまいます。また、象牙質に刺激が加わりますと、痛みを感じます。
- ●歯髄(しずい)
- そして「歯髄」。歯髄とは歯の中心部に流れる神経が通っている組織です。歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。一般的に「歯の神経を取る」というのは、これらの組織をすべて取り除くことを意味し、「抜髄(ばつずい)」といいます。
- ●セメント質
- 「セメント質」とは、歯根の象牙質の表面を覆っている組織で、「歯根膜」と呼ばれる歯と歯ぐきをつなぐ「結合組織」をつなぎとめる役割をしています。
- ●歯根膜(しこんまく)
- 歯槽骨(歯を支えている骨)と歯根の間にある薄い膜状の結合組織ことです。歯と歯槽骨を繋ぐという役割のほか、「噛み応え」を感じるという役割や、歯に伝わる咬合力を調整するクッションのような役割もあります。
- ●歯槽骨(しそうこつ)
- 歯槽骨とは歯を支えている骨のことです。歯周病が進行すると、歯槽骨や歯根膜が破壊されるため歯を支えることができなくなり、歯が抜けてしまうことがあります。また、歯周病で一度吸収してしまった歯槽骨は、回復が非常に困難です。
- ●歯肉(しにく)
- 歯肉とは「歯ぐき」でのことす。歯ぐきは歯槽骨を保護する役割をしています。ここに炎症を引き起こした状態を、歯肉炎といいます。